はじめに:なぜ、私たちの決意は三日坊主で終わるのか?
「よし、今日から間食はやめよう!」
「毎晩ストレッチをしよう!」
そう固く決意したはずなのに、気づけば3日後には元の生活…なんてこと、ありませんか?
私たち夫婦も、何度このループを繰り返したかわかりません。特に50代になると、若い頃のような「勢い」だけで体を動かすのが億劫になりがちです。
でも、ある時気づいたのです。「続かないのは、私たちの意志が弱いからではない」と。
今回は、気合や根性に頼らず、自然とダイエットが続いてしまう「仕組みづくり」について、我が家の実践例を交えてお話しします。
1. 意志力は「消耗品」だと知る

朝起きた時は「今日こそ頑張るぞ」と思っているのに、仕事や家事を終えた夕方には「もう疲れた、また明日…」となってしまう。これは当然のことなんです。
実は、人の意志力(ウィルパワー)は、スマホのバッテリーと同じで、朝が満タン、夜には枯渇する「消耗品」だと言われています。
一日中、仕事で判断を下したり、家族に気を配ったりしているうちに、私たちの意志力はすり減っています。その状態で、夜に「甘いものを我慢する」「運動する」という高度な決断をしようとしても、脳が拒否してしまうのです。
だからこそ、「意志の力」で戦ってはいけません。「戦わなくて済む環境」を作ることが、大人のダイエットの正解です。
2. 我が家が実践した「3つの仕組み」

意志力を使わずに、自然とヘルシーな生活になるように、私たちが家の中に仕掛けた「罠(仕組み)」をご紹介します。
① 「敵」を家に入れない(買い物のルール)
一番シンプルなルールです。「家にあるものは、いつか必ず食べる」。これが真理です。
疲れて帰宅した夜、目の前にクッキーがあれば、それを我慢するのは修行僧でも難しいでしょう。
- 仕組み:お菓子やジュースは「買わない」。
- ルール:どうしても食べたくなったら、「わざわざ買いに行く」手間を課す。
「わざわざ着替えてコンビニに行くのは面倒くさい…」という怠け心を、逆に利用するのです。家になければ、食べようがありません。これで「我慢する」という戦い自体を消滅させました。
② 「やる」までの秒数を減らす(20秒ルール)
運動が続かないのは、運動そのものが辛いからではなく、「運動を始めるまでの準備」が面倒だからです。
ウェアを探して、着替えて、ヨガマットを出して…この工程が長ければ長いほど、脳は「やらない言い訳」を探し始めます。
- 仕組み:お風呂上がりのパジャマを、最初から「動きやすい服(Tシャツとスウェット)」にする。
- 仕組み:ヨガマットは丸めてしまわず、リビングの隅に敷きっぱなしにする(あるいはすぐに広げられる場所に置く)。
「着替える」というハードルをゼロにしました。これなら、テレビを見ながら「ちょっとストレッチしようかな」と、0秒で始められます。
③ 記録を「見える化」して、脳を喜ばせる
50代のダイエットは、体重が落ちるスピードがゆっくりです。成果が見えないと、どうしても飽きてしまいます。
- 仕組み:カレンダーを冷蔵庫に貼り、運動した日や野菜を多く食べた日に「花丸」や「シール」をつける。
子供だましに思えるかもしれませんが、これが意外と効きます。空白が埋まっていくのを見ると、脳は「ここで途切れさせたくない」と感じるものです(心理学でいう「一貫性の原理」)。夫婦で競うようにシールを貼るのも、楽しいコミュニケーションになりました。
3. 「完璧」を目指さない仕組み

最後に、最も大切な仕組みは「休む日を作っておくこと」です。
「毎日やらなきゃ」と決めると、1日サボっただけで「もうダメだ」と挫折してしまいます。
最初から「週に2日はサボってOK」「旅行の時はダイエット中止」と決めておけば、罪悪感を持つ必要がありません。
「また明日からやればいいや」と軽く考えられること。これこそが、長く続けるための極意です。
おわりに

50代の体は、正直です。無理な我慢は続きませんし、ストレスは美容の大敵です。
もし今、ダイエットが辛いと感じているなら、それはあなたの意志が弱いからではありません。やり方が「意志頼み」になっていただけかもしれません。
- 敵を家に入れない
- 始めるハードルを下げる
- できたことを可視化する
まずはこの中のひとつから、生活の「仕組み」をちょっとだけ変えてみませんか?
頑張らなくても、自然と体が整っていく心地よさを、ぜひ感じてみてください。

コメント