「健康のために塩分を控えなきゃ…」
そう頭では分かっていても、味気ない食事ばかりでは心が満たされず、結局続かないことってありますよね。特に50代になると、健康診断の数値も気になり始め、毎日の食事作りが少しプレッシャーになることも。
実は、私たち日韓夫婦の食卓では、ある工夫を取り入れてから「無理な減塩」をしている感覚が一切なくなりました。その秘密は、韓国の家庭料理にヒントがありました。
「え?韓国料理って辛くて味が濃いんじゃないの?」と思われるかもしれません。
今回は、意外と知られていない韓国式おかず(ナムルなど)のヘルシーな仕組みと、塩に頼らず満足感を得るための「美味しく続けるコツ」をご紹介します。
「韓国料理=味が濃い」は思い込み?家庭料理の意外な真実

多くの人がイメージする韓国料理といえば、真っ赤なスンドゥブチゲや、甘辛いトッポッキ、味のしっかりついた焼肉かもしれません。確かに外食のメニューには、パンチの効いた濃い味付けのものが多いのは事実です。
しかし、家庭で日々食べられている「常備菜(パンチャン)」の世界は、実はとても野菜中心で優しい味わいなのです。
たとえば、韓国の食卓に欠かせない「ナムル」。
これらは茹でた野菜や蒸した野菜を、ごく少量の調味料で和えただけのシンプルな料理です。日本の「おひたし」に近いですが、醤油をドボドボかけるのではなく、素材の味を生かす工夫が詰まっています。
「濃い味でご飯をかきこむ」のではなく、「野菜そのものの味と香りでご飯を食べる」。これが、韓国の家庭料理の本来の姿です。
塩に頼らず満足感を生む「魔法の引き立て役」たち

では、なぜ塩分を控えめにしても「物足りなさ」を感じないのでしょうか。
それは、塩味(エンミ)以外の「風味」や「刺激」を上手に活用しているからです。我が家のキッチンでも大活躍している、3つの引き立て役をご紹介します。
1. 「ごま油」の香りだけで食欲が湧く
韓国料理の決定打とも言えるのが「ごま油」です。和え物の仕上げに小さじ半分ほど加えるだけで、ふわっと広がる香ばしさが「味の薄さ」を完全にカバーしてくれます。舌ではなく「鼻」で味わうことで、脳が満足感を得られるといいます。
2. 「薬味(ニンニク・ネギ・ゴマ)」のパワー
刻んだネギやニンニク、たっぷりのすりゴマ。これらを「ヤンニョム(合わせ調味料)」として使うことで、塩や醤油の量が少なくても、ガツンとした旨味を感じられます。特にニンニクは、少量でも満足感を底上げしてくれる頼もしい存在です。
3. 「辛味」で塩気を補う
唐辛子の粉を少し振ることで、ピリッとした刺激がアクセントになります。辛味があることで、不思議と塩気が少なくても味がぼやけず、輪郭がはっきりします(これを「カプサイシン効果」と呼んだりします)。
「混ぜて食べる」文化が減塩につながる

もうひとつ、韓国の食文化で面白いのが「混ぜて食べる(ビビン)」ことです。
ビビンバが代表的ですが、ご飯の上に味のついたナムルや野菜をのせ、全体をよく混ぜて食べるのが一般的。
実はこれ、理にかなった減塩方法なんです。
白いご飯とおかずを別々に食べると、おかず単体にしっかり塩気がないとご飯が進みません。しかし、最初から野菜とご飯を混ぜ合わせてしまえば、野菜に含まれるわずかな塩分やごま油の風味がご飯全体に行き渡り、結果的に少ない調味料で美味しく完食できます。
「丼もの」だとタレがかかっていて塩分が高くなりがちですが、「混ぜナムルご飯」なら、驚くほど野菜たっぷりでヘルシーです。
50代の私たち夫婦が実感した変化

夫(韓国人)のアドバイスで、この「ナムル中心・香り重視」の食事に変えてから、私自身の体にも嬉しい変化がありました。
まず、夕食後の「喉の渇き」が減りました。以前は和食の煮物などで意外と醤油を摂りすぎていたのかもしれません。
そして翌朝の顔や足の「むくみ」がスッキリするように。塩分を控えることで、体の中の水分バランスが整ってきたのを実感しています。
何より、「減塩しなきゃ」という我慢やストレスがないのが一番のメリットです。
ごま油のいい香りに包まれた食卓は、質素どころかとても豊かで、食事が楽しみになるのです。
まとめ:まずは「ナムル」一品から。無理なく続く健康習慣を

「減塩」というと、なんとなく味がなくて寂しい食事を想像してしまうかもしれません。
でも、香りや・辛味・旨味を上手に借りれば、塩はもっと減らせます。
まずはスーパーでほうれん草やもやしを買ってきて、塩を振る代わりに「ごま油」と「すりごま」をたっぷりと和えてみてください。
「あれ?塩ちょっとで充分おいしい!」と驚かれると思いますよ。
50代からの体づくりは、無理な制限よりも、美味しく続く工夫が大切。韓国式の知恵を借りて、賢く楽しい食卓を作っていきましょう。

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